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医学系キャリア支援のための交流会に参加して

人工臓器移植外科
准教授 菅原寧彦

 このたび、男女共同参画委員会よりエッセイ投稿の依頼を頂きました。まずは、自己紹介を致します。私は平成2年に本学を卒業後、東大第二外科に入局しました。大学病院や関連病院で5年間の研修を行った後、大学院へ進学、留学、後期の外勤を経て、1999年以降は大学病院で勤務しています。

 2005年に長男、その後2011年に次男、2012年に長女が生まれ、私生活もだいぶ忙しくなってきました。2013年現在、長男は小学2年生で、近距離であれば自力での電車移動などが可能で、随分手がかからなくなった感じがしますが、次男・長女は、それぞれ2歳・1歳でまだまだ、相当手がかかります。
 私も妻も共働きの家庭で育ち、結婚当初から男=仕事、女=家庭という概念はありませんでした。妻も医師であり、しっかりとしたキャリア形成を目指していますが、お互い地方の出身であり、双方の両親の支援を得られる環境にありません。当然、家事・育児を妻にばかり任せるわけにもいかないので、妻と私で協力するしかない状況です。時には、区や妻が所属する大学病院の支援を通じて、シッターさんを利用することもあります。

 子供が増えることに伴い、家事・育児に要する時間も増えていったため、私は今までの時間の使い方を変えていく必要に迫られました。私が工夫した点は以下の通りです。

仕事の質を維持しながら、短時間で効率良く行う。
   外科では、常に手術の技術を向上させる必要があります。改めて、手術の手順を見直し、無駄な操作、剥離をしていないかといったことを検討した結果、手術時間を大幅に短縮することができました。例えば、かつて生体肝移植は朝8時から始めて夜の12時に終われば早い方でした。手術時間が長くなると、サージカルチームも疲弊し、ミスも起こりやすくなります。最近は夜9時くらいには移植手術が終了し、かつて40%ほどあった再手術率も、現在は5%にまで低下しました。勤務時間の短縮によって、仕事内容の質を低下させるのではなく、より質を向上させることができていると思います。
   
仕事中は仕事以外しない。
   勤務時間が長くても、集中できる時間は限られます。短時間であるからこそ、勤務時間は仕事に集中し、無駄な時間を極力省くようにしています。
   
臨床業務以外は自宅へ持ち帰る。
   勤務時間内は、病院でしかできない仕事を優先して行うようにしています。論文作成や学会発表の準備など病院以外でもできる仕事は、勤務時間内に終えられなかった場合、自宅へ持ち帰り、家事・育児の合間に行っています。そのため、普段から必要な資料等をpdfファイルにして保存しています。

 私の場合、助教授・准教授になってからの結婚・子育てですので、キャリアの充実度と子育ての充実度のバランスに言及するのは不適切かと思います。しかし、誰しも家庭がある以上、各々の環境に応じてワークライフバランスを考えなければなりません。本エッセイを通じて、東京大学の職員が自分に合った働き方を見つけられる制度づくりに少しでも協力できたら身に余る光栄と思います。

(2013年12月)

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