男女共同参画委員会について

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元医学系研究科長のメッセージ

医学系研究科での男女共同参画推進にあたり

東京大学大学院医学系研究科長・医学部長 
宮園 浩平 

 男女共同参画社会基本法が制定されたのは平成11年(1999年)である。東京大学では平成20年(2008年)に男女共同参画加速のための宣言を発表した。医学系研究科において、教職員・学生の全ての人々にとってこの精神が尊重されるべきことは言うまでもない。実際に医学系研究科では男女共同参画を積極的に推進し、教育・研究・診療を格段に充実するために種々の試みがなされており、教職員・学生の間にも徐々に浸透しつつあるのではないかと思われる。

 しかし欧米に比べると我が国における医学系教員や医師の中に女性の占める割合が依然として低いことは否めない。20年前と比べると男女共同参画の考え方は我が国でも遥かに広く受け入れられるようになったが、歴史的な側面、教育、風習など様々な要素が絡んでおり、欧米のレベルまで到達するにはまだ時間を要すると思われる。医学系研究科においては今後も引き続き検討を続けて行くことが重要である。

 医学系研究科では平成21年(2009年)に女性研究者・医師に対してアンケートを行い、平成22年(2010年)には「女性休養室」がオープンし、医学部附属病院では医療従事者のために「いちょう保育園」が作られた。もちろんこれだけでは十分とは言えず、今後も女性医師の働きやすい環境を作ることは、医学系研究科の教育・研究・診療レベルの向上はもちろん、医師不足解消の方策としても重要と思われる。

 教員の選考においては男女の差別なく、業績を中心に教育、研究、診療に最も優れた人材を採用することをこれまで医学系研究科では一貫して大原則として来た。女性の比率を無理に引きあげるための措置を行うよりは、セックスやジェンダーの持つ生理的なハンディや社会的な困難を軽減する方策を取ることに引き続き優先的に取り組みたいと考える。女性にとってより働きやすい環境作りをめざすことで,今後優れた女性医師、教職員が増加して行くことを期待したい。

(平成23年7月)

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