男女共同参画委員会について

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医学系研究科長からのご挨拶

医学系研究科・医学部での男女共同参画推進にあたり

東京大学大学院医学系研究科長・医学部長 
岡部 繁男 

2019年末に中国武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2020年に世界的な大流行に発展し、以後、社会、経済、医療、そして教育・研究の現場にも大きな影響を及ぼしてきました。本学においても、「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京大学の活動制限指針」をもとに、徹底した感染拡大防止対策を実施しながら研究・教育活動が続けられています。このような中、世界中で“New Normal(新しい常識)”が形成されつつあり、働き方やダイバーシティの意識が大きく変わる可能性があります。医学系研究科・医学部の学生と教職員には、ウイルスの脅威に立ち向かいながら、学問を究め、質の高い教育・研究・診療を遂行するという重要な使命があります。それを果たすためには、性別などの属性にかかわらず一人一人の能力が発揮され、かつ持続可能で堅牢性の高い働き方としくみが必要です。現在の状況はその再考の転機となりうるのではないでしょうか。

令和3年度医学部進学者のうち、女子学生の割合は医学科で20%、健康総合科学科で41%です。一方、令和3年4月現在、医学部・医学系研究科における講師以上の教員数285名のうち、女性教授は3名(3名とも保健系)、女性准教授は20名(基礎系6名、保健系5名、臨床系9名)、女性講師は16名(基礎系6名、保健系0名、臨床系10名)で、約14%です。上位職において女性教員が少ない現状には様々な要因があると思いますが、医学系研究科・医学部としても引き続き検討を続け、改善の努力を行う必要があります。

医学系研究科・医学部では、2008年に男女共同参画委員会を設置し、様々な活動を展開してきました。2009年に課題を抽出するためのアンケート調査を実施し、2010年に医学部女性休養室を設置し、このホームページを立ち上げ、2012年からは「医学系キャリア支援のための交流会」を毎年開催してきました。病院では、2007年に職員のための「いちょう保育園」を設置し、2015年には病児・病後児保育室「ひよこケアルーム」を、2018年には医学図書館1階の場所を提供して事業所内保育所の「ポピンズナーサリースクール東大本郷さくら」を開設しました。育児・介護中の医師の個々の事情に合わせた勤務形態を可能とする「病院診療医」という雇用制度も設けています。今後も、医学系研究科・医学部の学生や教職員の多様性に対応した活躍の場を提供することを目指していきますので、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

(2021年4月)

岡部繁男 前医学系研究科長からのご挨拶(2021年4月)
齊藤延人 元医学系研究科長からのご挨拶(2019年4月)
宮園浩平 元医学系研究科長からのご挨拶(平成23年7月)
清水孝雄 元医学系研究科長からのご挨拶(平成22年4月)

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